きみに花束を贈る日
「連休あけですが、規則正しい生活を心がけるようにしてくださいねー。この時期は気が緩みやすいけど頑張りましょう」

教卓に手をつきながら話す担任の松村先生の話をわたしは頬杖をつきながらぼんやりと聞いていた。

松村先生は若くて面倒見のいい教師だ。ふわふわした性格で外見もかわいらしく、生徒から好かれている。

担任が頭の固いおじさん先生じゃなくてよかったなあと心の底から思っている。

昨日までゴールデンウィークだった事もあり、教室にいるクラスメイトの脱力感がひしひしと伝わってきた。

早起きが苦手なわたしはゴールデンウィーク中好きな時間に起きる毎日だった。
今日学校に来るのがとても憂鬱だったけれど、二度寝しそうになる身体をなんとか起こして登校した。

これからまた平凡な日常が始まるのかと思うと、ため息をつきたくなった。


キンコンカンコンと聞き慣れた音が響くと、教室の中がガヤガヤと騒がしくなる。
次の授業はなんだっけ、と黒板の方へ目を向けると松村先生とバッチリ目があった。

「あ、高山さん!ちょっといい?」

わたしなんかしたっけ、と思いながらのそのそ立ち上がり、教卓の前へと歩く。
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