きみに花束を贈る日
園芸委員という名前からしてお花関係だろうとは思っていたけれど、わたしみたいな初心者でもお世話できるのかちょっぴり不安だ。

「お花枯らして怒られたら嫌だなあ」

「綺彩がお花のお世話とか想像できないよ」

ケラケラと笑う美南につられてわたしもふふっと笑ってしまう。

「まぁ、初心者なのはみんな同じなんだし、気にしないで頑張って!」

拳を握って目の前に差し出してきたから、わたしも同じようにしてこつん、と合わせた。





襲ってくる睡魔と何度も戦いながらやっと授業を受け切り、放課後。

松村先生の挨拶と同時に、教室の中が息を吹き返したように騒がしくなった。

これから部活なのだろうクラスメイトがドタバタと教室から出て行ったり、座っておしゃべりしているクラスメイトがいたりと様々だ。

「綺彩ー 、また明日!」

髪をポニーテールに結んだ美南が大きなバックを背負い、こちらに手を振っていた。

めんどくさいからという理由で部活に入らなかったわたしとは違い、美南は運動神経抜群の活発少女で、テニス部に所属している。

大会前は練習量が増え、日に焼けている姿も珍しくない。
何か打ち込めることがあるのって羨ましいな、と思う。

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