きみに花束を贈る日
わたしは部活もバイトもしていないからいつでもいいけれど、先輩はどうなんだろう。

「先輩はいつがいいとかありますか?わたし合わせられるので」

そう言うと先輩は苦笑いをしながらうーんと唸った。

「朝はきついかな。早起き苦手でさ」

「わたしもです!今日なんか起きるの大変で」

「わかるわー」

真剣そうに言う先輩がなんだか面白くて「あはは」と笑うと、先輩も笑い返してくれた。

「放課後はバイトあるけど、当番の時はシフト入れなきゃ大丈夫だし、特に希望はないんだよなー」

「じゃあ、放課後なら何曜でもって書いておきます?」

「おー、いいじゃん、そうするか」


委員長が書き終わって提出したら帰っていいと言っていたので、ささっと書いて帰る事にした。

「これ、ありがと」

プリントを提出し終わった先輩が戻ってきて、貸したペンを返してくれる。

「次は忘れないようにしないとですね」

「はは。気をつけるよ。」

先輩は綺麗な目を細めて笑った。

「俺、帰るけど。高山は?」

「あ、わたしももう帰ります」

「おー。じゃ、下まで行くか」

そう言って先輩はまだ話し声の残る教室のドアをガラガラと開く。

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