明日キミに聴かせたい
「ってわけで、私は許しました。親友はどうかわからないけど…」
「ふーん…そっか」
翌日、私はあの階段に向かい、絶対に居ると確信して週刊誌の男子生徒に会いに行った。
階段を見上げるとはやり男子生徒は顔の上に週刊誌を広げながら寝転がっていた。
そして私は3段手前でいつものように座り、自分から話し始めた。
「じゃあ協力してあげるの?」
「ううん、協力はしません!許したからって協力しないのも選択肢のひとつじゃないですか!それに私が協力したら羽流が一人になるし、それじゃ意味ないじゃないですか!私は羽流の絶対的な味方でいたいんです。だから応援も協力もしません」
1段1段寝転がる男子生徒に近づき、私は男子生徒の前でしゃがみながら週刊誌を取り、にこりと笑いながら言った。
「そういうわけで、花瀬先輩にはせいぜい頑張って下さいって伝えといて下さいね!伏本先輩♪」
「ははは。いつから気づいてたの?」
「秘密でーす」
「ええ!!教えようよー」
「花瀬先輩が羽流の事を好きになったきっかけ教えてくれたら教えまーす」
「ずっる」
「なんとでもどーぞー」
私は先輩の声を耳ににやにやしながら教室へと向かった。
少し小走りで。