明日キミに聴かせたい
話し終えた時、先輩は電話の向こうで少し声を震わせながら「マジか…」と言った。
そして話し終えて泣いたままの私に「話してくれてありがとう白神さん。大丈夫?」と言いながら少しの沈黙の後に先輩は呟いた。
「会いたいなー」と。
「なんでですか?」
『だって泣いてる白神さんのこと励ましたり出来ないじゃん』
「電話でも十分出来るじゃないですか?」
『ん~言葉はかけれても抱きしめられないじゃん』
「出来ますよ」
『え?』
「ぎゅううう~。ほらね」
『ふはは。白神さん可愛すぎ!!つか俺が抱きしめられても意味ねぇじゃん!ははは』
「あ。じゃあ花瀬先輩も抱きしめて下さいよ」
『え?言うの?』
「はい」
『いや、ちょっと、それは、恥ずかしい…』
「え?え!ちょ、そんな風に言われたらまるで私があれやこれやと恥ずかしいことしたみたいじゃないですか?!」
『いや、したよ』
「なっ!!?」
『可愛かったからいいけどさ、俺以外の男にしたら許さないよ?』
「はぃいいい??!」
こんな感じで私と花瀬先輩は初めての電話をし、13時頃、先輩が用事があるからというので私たちは電話を切り、同時にメッセージのやりとりも終えた。