明日キミに聴かせたい

突然奈津に押し倒された私は、その時初めて押し倒されて自分の上に誰かが乗っている時の人の気持ちがわかった。

好きな人にされるならまだきっとキュンキュンしたり、抱きついたりするんだろうけど、いきなり見ず知らずの人にやられたらたまらなく怖いだろうなと思った。

そのまま私は奈津に抱きついてベッドに倒すと、奈津は「わっ!」と小声で私に抱きつきながら私と同じように倒れ、お互いに目が合ったままの状態で奈津は話した。


「羽流、私さっき伏本先輩に…」

「コクられたの?」

「ち、違うの。電話したの」

「電話って、いつの間にそんな連絡先交換するような仲になってたのー?」

「違う違う!先輩の自宅の電話番号調べて電話したの」

「はぁ?またそれ発動させたの?奈津、何回も言ったよね?好きになった相手のこと調べたい気持ちはわかるけど、度を越えてストーカーみたいな事までしちゃダメだよって…で、先輩と話したの?」

「ううん、誰も出なかった」

「なら良かったじゃん。何も問題ないじゃん」

「それがね…」

どうやらそのあとしばらくして奈津の携帯に知らない番号から電話がかかってきたらしく、電話に出るとそれがなんとびっくり伏本先輩だったそうだ。



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