明日キミに聴かせたい
先輩は奈津に、なんでうちの番号を知っているのか?と聞いたそうで、そりゃそうなるよねと私は黙って奈津の話を聞いた。

先輩からの問いにあたふたする奈津。
そこに先輩からの冷たい「で、何か用?」の言葉に奈津はさらにあたふた。

そして「すいません!」と謝って電話を切るという怪しさ満点の終わり方をした事を話した。


「絶対こいつヤバイ奴って思われたよね?嫌われたかな…嫌われたよね…どうしよう羽流……助けてぇぇぇ!!」

「ああよしよし~」

頭を撫でながら私は奈津の話し声から大量の後悔という言葉が飛び交うのを見た(ような気がした)。

「とりあえずさ、明日学校行ったらちゃんと理由話して謝りなよ。伏本先輩は橘と違ってちゃんと話せばわかってくれるって。ね?ほ~ら~もう泣かないでってば~奈津の可愛いお顔が台無しだよ~」


まだ涙を流す奈津の頬をつねりながら私はしばらく奈津を励まし続けた。


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