明日キミに聴かせたい

「あ、奈津、これ、ヤバくない?」

教室に入ると男子たちがやけににやにやしながら騒いでいた。

その理由は友達が見せてくれたスマホ画面によってすぐに理解出来た。

そこには際どい姿なのに笑顔で自撮りをする女子の姿が写っていた。

そんな際どい写真たちが何枚も送られてきているメッセージはどうやら目の前にいる彼女だけじゃなく、このクラスの全員、いや、もしかしたらあの先生の慌てようから全校生徒……もしくは全教師にまでも送られているのかもしれない。

そしてこの自撮りしている子は多分……

5組の女子生徒だと思った。


「奈津には来てないの?」

「ん~あ、来てたみたい」


メッセージアプリを開くと、私にも大量の写真が送信されてきていた。

何かしらで一斉送信されているその写真を見ながら男子たちは相変わらずにやにやガヤガヤしていると、教室に担任がやって来るなり、1限目は自習だと告げて出ていった。

そりゃこんなのが全校生徒に送信されてるんだもんね。と思いながら私はふと5組って確か……

「羽流…」

そしてすぐさま羽流にメッセージを打った。

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