明日キミに聴かせたい
『こいつがやってたらどうするんだお前』
うるさい。
『教えてやろうか。お前の代わりにあいつらに嫌がらせしたのはこいつだよこいつ』
うるさい。
『わかってるくせにぃ。こいつがお前に惚れてるのもぉ、こいつがお前が望むならどんな事でもすること』
うるさい。
『もっともっと頼めよ。お前が頼んだらこいつならあいつらのことこの世なら消してくれるかもよ?そしたらお前はまた学校に通えるぜ?』
うるさい。
『簡単なことだろう。一言でいいんだぜぇ。なんなら俺が言ってやろうか。あいつらをこ……』
「うるさい!!!!!!」
瞼を開けて震える手がスマホによるバイブのせいだと気づいた時、私は少しホッとした。
そして花瀬先輩からのメッセージを読んだ時、私は静かに息を吐いた。
ー違うよ。
そしてすぐに先輩に謝罪文を送った。
ーごめんなさい!あの子たちのこと知ってるの奈津以外に先輩しかいなかったから……
ー疑われるのは俺もなんとなく予想してたから大丈夫。気にしないで。
ーあの…先輩は気づきましたか?
ーん?ああ、もしかして今日の出来事がコウの曲と被るってこと?
やっぱり先輩も気づいてたんだ。と思いながら私は先輩に返事を打った。
ーはい。あまりにも似てて、その……
ーコウのファンで白神さんから話を聞いている奴となると俺しかいないから疑ったと。まあそれはいいとして、ファンとしては気になるよな。
そして私たちはそのまま深夜までやりとりをしていた。