明日キミに聴かせたい

溜め息を吐く私に母は「アルバムいつ発売なの?」とお茶を飲みながら訊ねてきた。


「10日…」

「あら。言ってる間に来るじゃない。もう予約とかしたの?」

「まだ…」

「じゃあさっさと予約しときなさい。じゃないと特典なんてなくなっちゃうわよ」

「え、そういうもの?」

「そりゃそうでしょ。発売日に買っても特典もらえるかもしれないけど、フラゲとかも出来る世の中なんだし、もしもに備えて予約出来るならしといた方がいいわよ」

「な、なるほど」

なぜか私なんかより母はそういうことに詳しく、母に訊ねると「昔好きなバンドの追っかけしてたからかな~ははは」と笑った。

母の目には私もコウの追っかけをしているように見えているのだろうか?とそんな事を考えながらスマホで簡単にコウのアルバムを予約出来た事に、スマホの凄さを改めて感じた。

電話予約とか、店舗に行って予約とかしなくていいんだもんな。外出出来ない子には本当にありがたい世の中になったもんだ。とも感じながら私も母が入れてくれた少し熱めのお茶を飲んだ。

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