明日キミに聴かせたい

ーえ、羽流が?!

ーうん。今朝決めたの。

ーそっか。一人で本当に大丈夫?なんなら私付き合おうか?

ー奈津は学校あるでしょ(笑)けどありがとう。

ー無理しないでよ羽流

ー任せといて!!


奈津からの猫が涙をダバーっと流しているスタンプか送られてきて、私はそれに犬がピースしているスタンプを送り返した。


花瀬先輩には、言おうとメッセージを打ったけれど、送信が出来ず送ることを止めた。

出来なかった時に、先輩になんて言われるかを考えたら、何を言われても泣いてしまいそうな気がして、私は出来た時にメッセージを送ろうと決めた。


「ふぅ…」


人によってはこんなやり方絶対合わないからしないでもっとゆっくり時間をかけてした方がいいけれど、私は日にちが迫っているから荒療治を実行すべく部屋着からちょっと外出用の服装に着替え、上から紺のダッフルコートを着て玄関へと向かった。

そういえば中学の3年間も冬になればこのダッフルコートを着て通学してたっけな。懐かしい。

ここからスニーカーを履いて、紺色のスカートを揺らしながらマフラーと同じ色の手袋をしてさ、中学に上がる時に買ってもらったリュックを背負ってこのドアを開けて元気よく「いってきます」って言って……


「うっ…」


廊下に出ただけで私はその場にしゃがみこんだ。

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