明日キミに聴かせたい
-羽流おはよう!
-今学校。
-橘先輩見つけた
-話したら目の前で羽流のやつ消去してくれた!
-ヤバくない?先輩優しい!!
-羽流のこと気にしてたよ!
-今日帰り寄るね!
-はーるー眠いー
-はーるーるーはーるーるー
おいおい、どうした奈津さん。
この大量投下は別に珍しいことじゃないけれど、後半の奈津の狂いが半端じゃなかった。
その後半がこちらです。
-朝から体育とかふざけだろ!サボろ。
-橘先輩見つけた!ああ癒しだよ癒し!!
やばいよ目ぇ合った死ねるww
-羽流聞いて!!サボってたらイチャイチャ現場に遭遇した!!あいつら殴りたい。
-橘先輩に手ぇ振ってもらえた!!
振り返したら微笑み返しされたんですけど!!
やばいよもう目ぇ洗わない!!
-ひゃー!!先輩にほっぺほっぺぺぺぺー!
もう顔洗わないマジ息が出来な、、、
-羽流、一人学校厳しい。
奈津さん、本当にどうした。と思いながら私は、とりあえずたった一言返事を返した。
-奈津が来るの待ってるね
テーブルの上に置かれた白い箱を開けてドーナッツを手に取り、口に入れた時、太るな。と頭でわかっていながらも気づいたら二つ目に手が伸びていた。
奈津が来るまでまだまだ時間があり、私は時間を持て余しているように見えるだろう。
いや、実際持て余している。
だから今日も動画アプリを開いて検索して飛ばして飛ばして流行りも聴いてみるけれど、あの大人数のアイドルも、あの有名なアーティストも、あのいかつい顔したロックバンドも、あの同い年のシンガーソングライターも、なんかふわふわしてピンとこなくて結局いつもの動画を再生してしまう私がいた。