明日キミに聴かせたい
こんなに緊張したのも、こんなにあたふたしたのも、こんなに手が震えたのも、きっと寒さのせいだと自分に言い聞かせながら、平日にも関わらず沢山のお客さんで賑わうCDショップの入り口で私はかれこれ5分は立っていた。
「よし」
意を決して踏み込んだショップという世界は、今まで何度も来ているはずなのに、初めてゲームセンターに入ったような感覚になった。
あちらこちらから聴こえる様々なジャンルの音楽たちを耳に壁のあちこちに貼られた宣伝用ポスターの中にはサイン入りもちらほら確認出来た。
メジャーもインディーズもオススメコーナーに置かれてここじゃ対等になる世界。
コウはインディーズになるのかな?と思いながらインディーズの棚を探してみたけれど、コウのアルバムは見当たらず、ここは自分が予約した分しか入れてないのかな?とちょっと悔しくなった。
コウの良さがここの店員さんには伝わっていないのかよ!!とキレたくなる気持ちを抑えてレジへと向かった。