明日キミに聴かせたい

「え……」


だ、誰だ?



「あ、ごめんなさい!こいつ誰だ?って感じだよね。えっと……俺、伏本勇生っていいます。えーと、加山さんと知り合いで、名雄とは親友で、血液型はB型です」

「あ、はい…私もB型で………ああ!階段男子か!!」

「階段男子??」

「あ、いや、あな…伏本先輩に初めて会ったのが階段って奈津から聞いてて…」


「ああ、なるほど」と言いながらクスクス笑う笑顔は奈津に聞いた通りの人だという印象だった。


「白神さんなんでここに?」と言う質問には多分引きこもり中って聞いてたからさ。みたいな言葉が込もってるんだろうな。と思いながら「CDを…受け取りに…」と呟いた。


「そうなんだ!実は俺も学校サボって受け取り!これ内緒な。そうだ、すぐ済むからちょっと下で話さない?」と首を少し傾けて問いかけてきた。

早く帰って聴きたい気持ちが強いけれど、かといってそれを理由に断るってどうなんだろう?と思いながら「はい」と言ってしまった。

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