明日キミに聴かせたい
家に帰り、母に無事に受け取りに行けたよとレシートを渡すと母は涙声になりながら「お疲れ様」と私の頭を撫でた。
「ゆっくり聴きなさい」と部屋に向かう私に言ってくれた母に「メリークリスマス!」と言うと「まだ早い!」と母は笑った。
部屋に入るなり外出着のまま袋からCDとポスターを取り出した私は、丸まったポスターを広げて感極まっていた。
アルバムのジャケットと同じ柄のポスターだとばかり思っていたけれど、一部だけ違うバージョンになっていて、目元まで被っていたフードは取られ、黒縁メガネをかけていた。
「かっこいい……」
思わず見入ってしまった私は、はたと我に変えるなりベッドの頭の方の壁にポスターを貼った。
自分の部屋にポスターなんて初めてのことで胸は踊り、頭の中の小さな私はスキップルンルンで動き回っていた。
これから毎日コウが部屋にいる。朝も昼も夜も深夜もずっとここにコウがいるだなんて幸せすぎる。ああああ鼻血出ちゃう出ちゃう!!と一人部屋でキャッキャッしていた。