明日キミに聴かせたい
歌詞カードを見ながら一曲一曲に耳を傾け、一通りアルバムを聴いた。
そして、またアルバムを1曲目から聴き始める。
これを繰り返し繰り返し聴きながら私は、コウの歌声と、彼の現実味溢れる世界に居続けた。
アップされていた曲もちらほら入っていたけれど、聴いたことのない曲も沢山あって新曲だと心をウキウキしながら聴いた。
「この曲好きだな…」
聴きながら歌詞カードを読む。
それを何度も繰り返して歌詞を覚えようとしながら、歌詞の意味を自分なりに理解しながら、コウの伝えたいことに自分なりに気づいたりしてさ。
でも答えなんてどこにも無いし、コウ本人がどこかで全ての歌詞の意味を伝えているわけでもないから本当は様々な言葉が誰に宛てていて、誰に伝えたいのかはわからないまま。
僕らがこんな気持ちでこんな人にこんな風に届けたくて書きました。とか伝えたいけど、正直音楽は受け取り手の自由だから聴いたあなたが僕らの曲でその時だけだって構わないから何かを感じてくれたらそれだけで僕らはこの曲を作った意味がある。とかなんとかイケメンバンドのボーカルがかっこよく顔をキメながらインタビューに答えていた雑誌を立ち読みしたことがあったな。とふと思い出した。
私はあのキメ顔を見てもかっこいいだなんて思わなかったし、逆になんだか笑えたのも思い出した。