明日キミに聴かせたい

けれど、このアルバムは、自分みたいな人に向けられたものなんじゃないか?なんて都合よく勝手に解釈してアルバムのタイトルを見た。


[明日キミに聴かせたい]


だってアルバムのタイトルも、ここに収録されている曲たちも、内容が今の自分に合いすぎてる気がしたから……


「はぁ…コウ好き…」


そうして繰り返しているうちに夜が来て、繰り返しているうちに寝てしまっていたようで、気づけば朝を迎えていた。

イヤホンを外さずに寝てしまったせいか、夢から覚めた時に耳に飛び込んできたのは母の声じゃなくコウの歌声だった。


「おはよう…コウ…」


ゆっくり起き上がりながらポスターを見た時、私の瞳にコウが映っているのがわかった。
そしてコウの瞳の中にも自分の寝癖ばっちりな髪や寝ぼけた顔が映っているのが……うっわ、恥ずかしい!!!!寝癖とかこんな顔見られた!!!ヤバイ恥ずかしすぎて死にそう!!!と朝から一人ハイテンションになっていた。


その日の私の1日は、コウのために使われた。
昨日買ったアルバムをウォークマンの中に入れ、アルバムを机の上に飾るために机の上を綺麗に整理なんかしてみたりした。

そうしていると、昼過ぎにメッセージが届いた。
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