明日キミに聴かせたい

昨日のクリスマスイブに奈津からメッセージが届いた。


ー明日ついにライブだね!羽流とライブ行けるとか最高のクリスマスだわ。楽しみだね!!明日は昼過ぎに迎えに行くからね!!


そのメッセージに返事をした時、急に嫌な緊張感が生まれてコウの歌声に深夜まで浸っていたせいか、目覚ましをかけたはずなのに止めた記憶がなく、暖房を付けたはずなのに記憶がなく、私が目を覚ましたのは奈津が来る30分ほど前だった。


「マジか羽流ちゃん!!まだその状態だったのかよ?!」

布団から顔を出して「ごめん」と言う私に近づきながら奈津は何を察したのか「大丈夫?」と布団の上から私の背中をさすった。


「うん、大丈夫。ただ昨日ちょっと不安になっちゃって寝れなかったの」

「そっか。もーう、私が一緒なんだから絶対大丈夫だって!」

「うん」


微笑む奈津の瞳に私が映ると同時に私の瞳に奈津が映って何がウケたのか二人で笑い合った。

そして私は子供のように奈津に着替えを手伝ってもらったり、髪を整えてもらった。



< 182 / 250 >

この作品をシェア

pagetop