明日キミに聴かせたい

目が覚めたのは誰かが私を呼びながら肩を揺すったからで、それが誰かとわかるのにそう時間はかからなかった。


「よっ」

「あ~もうそんな時間か…」


紺色のブレザーに紺色の冬用のスカートを身に着けた奈津がそれはそれは可愛いスマイルを私に向けながら「おはよ」と言った。


「で?先輩とはどこまでいったの?」

「いってないよ。つか真っ白な関係だわ!それよりちゃんと先輩には羽流のやつ消去してもらったから安心して。本当にごめんね」

「ああ…うん。私こそ昨日ごめん。ぬいぐるみ投げつけ……いて!」


いつの間に取っていたのか奈津は私のベッドに置いてあったはずの犬のぬいぐるみを私の顔面めがけて投げつけてきた。


「あははは!はい、これでチャラね!」


そう言って奈津は鞄の中からノートと教科書を取り出すと、私の机を借りて宿題をやり始めた。


「私に聞いても無駄だぞー」

「安心して下さい羽流様、あなた様には死んでも聞きませんので~」

「腹立つぅうう」


奈津は「机お借りしまーす」と言って勉強モードになり、私は耳から付けたままだったイヤホンを外してスマホを手にした時、メッセージが来ていると通知ライトが点滅していることに気づき、送り主を見たけれど登録していない名前の人からだったのでどうしようかと悩んだけれど、とりあえず開いてみることにした。




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