明日キミに聴かせたい
お似合いなんだからいっそのこと付き合っちゃえばい……
「勇生~兄貴が……」
「え……」
「え…白神さ……」
「ふふふ。名雄くんてばお顔が真っ赤ですわよ」
「勇生てめ、知ってたな!!」
思いもよらぬ対面に私は言葉が出ず、ふいに下を向いてパニックになっている頭の中を落ち着かそうと必死になっていた。
ちらりと花瀬先輩を見ると、夜のせいで真っ赤かどうかはわからないけるど、一度も目を合わせてくれず、私は自分がうつ向いているせいかと顔を上げようとした。
「よ!勇生くん」
「お久しぶりです」
「いつも名雄が世話になっ…あ、さっきの」
聞いたことのある声に顔を上げると、そこには先ほど少し話したハル本人が立っていた。
「あ、先ほどはどうも…」
「君も名雄の知り合いだったんだ」
君も名雄の知り合いだったんだ?
「あ、あ、あなたハッんんんん!!?」とまだファンが周りにウジャウジャいる中で奈津がハル本人だと大声で言いそうになったのですかさず私は奈津の口を両手で塞いだ。