明日キミに聴かせたい
オートロックを解除した光希さんにぞろぞろと私たちは続きながら中に入り、エレベーターに乗り、何階だったか……とにかくかなり上でぞろぞろと光希さんに続いてエレベーターを降りた。
長い廊下を歩いてすぐのドアを開けて私たちを中へと通してくれた光希さんは、慣れた手つきでキッチンに向かうと全員分の夕飯をパパッと作り、私たちはその品々を「美味しい!」だとか「天才!」とか言いながらわいわいと頂いた。
聞けば光希さんは高校を卒業して独り暮らしを初めてから料理にハマり、ほぼ毎日作ってようやくここまで出来るようになったそうだ。
女子である自分にここまで作れと言われても作れないかもしれない。私もこれから頑張らないと結婚した時……
バチッと花瀬先輩と目が合った時、違うから!!将来の話であって別に先輩と結婚とかそんなこと……え、先輩と結婚?!ないない!何考えてるんだ私は!!
大体まだ先輩とはそんな関係じゃな……そんな関係になってたらいいのか?って感じになるじゃない!!もう!!違う違う!!
パンパン!!と自分の頬を叩いた後、私は奈津にお手洗いに行くと告げて席を立った。