明日キミに聴かせたい
そして登録したその足で光希さんにメッセージを送った。
ー深夜にメッセージ失礼します。
登録が遅くなって本当にごめんなさい。
そのまましばらく待ってみたけれど、こんな時間では寝ているに違いない。そもそもこんな時間にメッセージを送った私が間違いだ。と静かに息を吐きながら冷たくなる指先に息を吹きかけた。
「返事来ないな…」
それでももう少し。と光希さんからの返事を待ちながら、私はあの日、家に着いてすぐに花瀬先輩に[送ってくれてありがとうございました。今日はお疲れ様でした]とメッセージを送ったのだけれど、4日経った今も読まれぬまま、返事さえも返って来ない事が実は気になっていた。
先輩もしかして怒ってるのかな……
私が先輩の告白からあんな形で逃げたこと。
"白神さん…好きだ…"
ざわざわと騒がしい胸に私はそっと少し冷えた指先で触れながらコウの歌声が一瞬消えて先輩の声が再生された。
ぐるぐると、私の頭の中で先輩の声が、あの姿が駆け巡って私の胸に流れ着いてドクドクと速くなる音、ざわつく胸が温かくなっていった。