明日キミに聴かせたい
ブブブッと耳元で聞こえたバイブの音で目が覚めた私は、付いたままの照明を消し、スマホを手にメッセージが来ていることを確認して開いた。
ーおはよう羽流ちゃん、登録ありがとう。
さっそくなんだけど、今日会えるかな?
その文面に私はガバッと起き上がり、左手の親指で返事を打った。そりゃもうすぐに。
ーおはようございます。
はい、全然会えます。
ーじゃあこっちの都合で申し訳ないんだけど、17時に俺のマンションまで来てもらえないかな?
ーわかりました。
ーごめんね、ありがとう。
返ってきた返事を見ながら私は一人で行くのか。と奈津に一緒に来てもらおうかとも思ったけれど、はたと気づいた。
奈津はいつも年末は家族で田舎に帰っているんだったということに。
「まだこんな時間か…」
時計を見てもう少しだけ寝たい。眠たいと眠りに付いた私が夢の中で見たのは、それはそれは甘い物語だった。