明日キミに聴かせたい
「そんなのわからない…よ」
「私の推測なんだけどさ、羽流に惚れてるからじゃない?」
はい?いや、奈津さんそれは無いでしょ?
私は今、学校にも行ってない引きこもり女だよ?
接点なんてどこにもないんですよ?
「あ~羽流それは無いわ~って顔してる!自分こんな状態ですよ?わかってます?接点どこにあるんすか?って思ってるんでしょ~?」
「だって実際そうじゃん。私先輩と話したことも会ったこともないもん」
「ほんっとうに学校行ってた時、一度も先輩と話したとか会ったとかないの?」
そう言われると自分の記憶が間違っているんじゃないかと疑いそうになったけれど、自分が学校に通っていた日数なんてたかがしれていて、その短い中で花瀬先輩に会った。花瀬先輩と話した。
そんな記憶なんて、、、
「うん。無い」
「私より記憶力ある羽流が言うんだから無いんだろうな~じゃあなんでだ花瀬名雄ーーっ!!」
奈津が抱きしめたままのぬいぐるみに叫んでいると母がノックを忘れてガチャッとドアを開けた。