明日キミに聴かせたい

「でもさ、知りたくない?なんの接点もないのに先輩が羽流に惚れた理由。私は知りたいな~にひひ」

「それは…そうだけど…」

知りたいか知りたくないかと言われたら知りたい。

それ以上に奈津が打ったように花瀬名雄が本当に自分なんかを好きなのかが信じられなかった。

きっと、いや絶対に花瀬名雄はIDを教えられた際に橘孝太郎から私が不登校だの引きこもり中だのと聞かされているはずだ。

なのに好きと言われたって、私が間違っているのかな?信じられない。

ぐるぐる言葉たちが頭の中で回り回っていると、奈津が画面を私に向けた。


ー信じてほしいとしか言えない。
キミは覚えてないかもしれないけど、俺たち一度会ってるんだよ。


「は?はああああ?」

「会ってるんだって~」

「会ってない会ってない!!」

私の記憶に花瀬名雄と会った記憶なんて無いはずなのに、この人は会ったことがあると言っている。

なら…私の記憶が間違ってるっていうの?
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