明日キミに聴かせたい
濡れた髪を部屋に置かれたドライヤーで乾かしながらスマホをちらちら気にしていると、さっきまで点滅していなかったはずなのにとドライヤーをしたままもう片方の手でスマホを操作してメッセージを読んだ。
ー花瀬先輩とやりとりしてる~?
まさかの奈津からのメッセージでカクンっと肩の力が抜けてしまった。
ーしてるしてる~
返事を返しながら髪を乾かし終えた私は、化粧水を顔にパンパンと付けて肌に浸透させ、ふうと息を吐いた。
そして鏡に写る自分の顔を見ながら、どこが良くて私を好きになったんだろう?と眉間にシワを作りながら考えていた時、いやいや、だからあの好きも怪しいってば!と頬を軽くパンパンと叩いた。
すると、ブルッと震えた音がして画面を見て私はこいつ何考えてるんだ?!と開いた口がすぐには塞がらなかった。
ー会ってくれたら話すよ
こんな状態の私によく言えたな花瀬名雄め。