明日キミに聴かせたい

家に帰れば安心出来た。
自分の部屋に入ればもっと安心出来た。
休みになればよく眠れた。
休み明けの学校が恐怖だった。

「おはよう…」

けれど朝になればいつも早起きして母がお弁当を作ってくれている事を思うと、ありがたくて、申し訳なく思えて簡単に休みたいと言えなかった。

ましてや学校が嫌だなんて言い出せなかった。


「じゃあね」

奈津と下駄箱で手を振り合いながらお互い教室に向かう日も、一人で登校して教室に向かう日も、どちらにしろ恐怖はずっと毎日私に付きまとった。

「あ、白神さんじゃん。おはよう」

「お……」

「は?何なに~無視?ひどーい」

「え~挨拶したのに無視とか白神さん最低」

「ちが…」

「罰として放課後ちょっと付き合ってね」


それは6月の始め頃の出来事で、私が限界を感じた日でもあった。

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