俺様ホストは  溺愛率100%




「はははっ!割り勘!」


「わっ…笑わないで下さいよ!」


隣で腹を抱えて笑い出した大樹に、ついカッとなってしまう。


「割り勘なんかしてたら、ガキのくせに借金まみれになるぞ」


目に涙が溜まるほど、大樹は笑っている。


「ま、流星さんにハマって実際に借金抱えてる女の子はいるけど。流星さんと割り勘したいからって、わざわざ借金作るやつはいねぇよ」



そ…そんなに笑わなくても!



てか、実際本当にホストにハマって借金作る人いるんだねー…ますます、怖い世界ー…





「なんか、ガキんちょ面白いな!」



大樹の手が、頭をぽんぽんっと撫でる。


「ガキんちょじゃないですけどね」


笑われ過ぎて少しムッとしながら、大樹の手を払った。





「じゃあ、何て名前?」


「…七海」

「下の名前?」

「違います。七海 由奈(ななみ ゆな)」

「由奈ね。覚えとくよ」


フッと笑って言った大樹の表情は、やっぱりホストなんだなぁと思わせる、今まで見たことない笑顔。





「いや…覚えとかなくていいです」



流星さん時みたいにドキドキはしないけど、やっぱりこの笑顔を見てしまうと女子はキュンっとするんだろうな。




タクシーの中でそんなやりとりをしている間に、どうやら目的地に着いたようでタクシーが停まった。














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