俺様ホストは 溺愛率100%
「大樹、遅い」
「流星さん、そんなこと言わないで下さいよ。これでも、職場から急いで迎えに行ったんですから」
タクシーのドアが開くと、そこには流星が立っていた。
「ところで、夏美さんは納得して帰ったんですか?」
大樹が先にタクシーから降りると、後に続いて七海も降りた。
「あぁ。もう二度と指名しないって言ってな」
「え!?マジっすか?!店長に怒られますよ…夏美さん、毎月何百万って落としてくれる上客なんですから」
な…何百万…
大樹と流星のやり取りを聞き、固まってしまう。
本当に、すごい世界だー…
顔を下に向けると、自分の今の格好が恥ずかしくなる。パジャマではないけど、素朴な適当な洋服でここに来てしまった。
「その話はどうでもいいんだよ。大樹はもう帰っていいぞ。ありがとな」
住む世界が違いすぎる人達の横に並んじゃいかんよー…
「はぁ…」
思わず溜め息が出てしまった。
「七海」
「!」
下を向いたまま溜め息をついていると、ぽんっと頭に流星の手が置かれた。