Snow drop ~サンタさんからのプレゼント~ 【完】
「胡桃沢さん、ご結婚は?」


『全然、まだです』


「じゃ、恋人は?」


『えと・・なんていうか・・』



「すいません、立ち入ったことを。」


『いえ、大丈夫です』


「セクハラとか、興味本位じゃなくて、
 ただ、次に札幌にくるときは
 仕事じゃなくて
 恋人と一緒に来てくれたらいいな、と
 思って」


『そう・・ですね』


「こんなに若くてキレイな人が
 クリスマスに札幌に出張なんて。
 もったいない」


『仕事なので』


「そんなの、男にやらせれば
 いいんです。
 しっかり仕事してもらってアレですけど
 クリスマスくらい、大切な人と
 過ごしてほしいな、と」



店長さんの言葉が

かき氷を思いきり食べたときに来る
あの頭痛のように

キーンと脳内に響いた。



―――大切な人と、過ごしてほしい―――



久保田君が、浮かんだ。




ぎゅーっと胸が
くるしくなって

店長さんに聞こえないように
深く深呼吸をした。
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