さざなみの声
2
テーブルの上にシュウが作ったシチュー。カレー皿と丼に。プラスティックのスプーンとコーヒーカップのソーサーにパン。
「出来た。美味そうだよ。どう見直した?」
「じゃがいもの芽だけは絶対取らないとダメよ。お腹壊して大変な事になるから。分かった?」
「うん。ちゃんと覚えておくよ。さぁ食べよう」
「うん。いただきます」
「美味い。もしかして料理の天才かも」
「あのね。市販のルウで作ったんだから誰でも出来るの」
「でも野菜の切り方とか上手くない?」
「ちょっと危なっかしかったけどね。初めてにしては合格かな?」
「もうシチューは、いつでも作れるよ。任して」
「うん。任した。あとカレーとかハヤシも作れるわね。作り方同じだから」
「そっか。なんか料理も出来ると楽しいね。ちょっとプラモデルみたいで」
「プラモデル?」
「うん。順番があるだろう? 手順って言うのかな料理だと」
「そうね。間違えると大変な事もあるわね。中にはね。でもそんなに神経質にならなくても適当で出来ちゃったりするけど」
「これから作ってみようかな。いろんな物を。面白そう」
「興味を持ってくれたのは嬉しいわよ。期待しちゃおうかな。でも少し調理道具を揃えないとね。炊飯器と鍋や食器もいろいろ」
「そうだね」
二人で美味しく食べ終わった。