さざなみの声
6
二人で一緒にシャワーを浴びて濡れた髪をドライヤーで乾かし合う。昨夜のパンの残りとシュウの入れるコーヒーで朝食を済ます。
「きょう、これからどうする? 何か予定ある?」
「ううん。別にないけど」
「じゃあ、買い物に付き合ってくれないかな? 調理道具を買おうと思って。全然分からないから何を揃えたらいいのか」
「いいよ。付き合ってあげる」
「お昼は外で美味しい物でも食べよう」
シュウの車で出掛けた。まず家電の店で炊飯器とオーブントースターを購入。シュウの部屋には買って来たお弁当を温めるためなのか電子レンジだけは何故かあった。それからホームセンターで中くらいの鍋、フライパン、まな板を買って包丁は少し良い物にした。次は百円ショップで茶碗、お椀、お箸、お皿はサイズいろいろを揃え、ちょっと深めの小鉢も、スプーン、フォーク、ボールやざる、鍋敷、お盆、その他小物いろいろ。
シュウは
「こんなに安く買えるんだ。すごいね」
と感心していた。
「そろそろお昼だけど何が食べたい?」
「う~ん、そうね。これからシュウが家で作らない物がいいな」
「どういう意味?」
「家で作れる物は材料を買って作った方が安上がりだから」
「そうか。家では作らない物ねぇ。じゃあ、お寿司。回ってる方だよ」
「いいわよ。先週はシュウのお宅で、お高いお寿司をいただいたから」
二人で回転寿司に行って、お腹いっぱい食べた。