さざなみの声
7
「これからスーパーに寄って材料買う? せっかく炊飯器買っても、お米がないとご飯炊けないよ」
「そうだな。分かった。じゃあスーパーに行こう」
シュウとスーパーで買い物ってしたことあったかな?
「今夜、何か作る?」
「炊飯器買ったから、ご飯は炊きたいな」
「昨日シチューだったから今夜は和風かな? そうねぇ。お味噌汁と煮魚、玉子焼きとお浸しとかは? 明日の朝、ご飯とお味噌汁で食べて行けるよ」
「いいねそれ。それにする」
「分かった。調味料もなかったよね。ところで、お味噌は白よね?」
「家は白味噌だと思うよ」
「だよね。家は名古屋だから実家は赤味噌なのよね」
砂糖、塩、醤油、味醂、料理酒、コショー、油などと卵、ホウレン草、お魚は鰤、豆腐、ねぎ、わかめ、胡麻、お米も忘れずに。車の中は、すごい荷物。引っ越しと間違えられそうだ。
「さて帰って美味しい晩ご飯作るぞ」
張り切ってるシュウが可笑しかった。エレベーターがあるとはいえ、これだけの荷物。四階まで何往復したか。私は一度持って上がっただけだけど。それでもシュウは嬉々として炊飯器の梱包を解いている。まず最初に食品を冷蔵庫には入れたけれど。次に食器を洗わないと使えない。どこに仕舞うのか疑問? とにかく何とか洗って片付けて……。