さざなみの声


「これからスーパーに寄って材料買う? せっかく炊飯器買っても、お米がないとご飯炊けないよ」

「そうだな。分かった。じゃあスーパーに行こう」

 シュウとスーパーで買い物ってしたことあったかな?

「今夜、何か作る?」

「炊飯器買ったから、ご飯は炊きたいな」

「昨日シチューだったから今夜は和風かな? そうねぇ。お味噌汁と煮魚、玉子焼きとお浸しとかは? 明日の朝、ご飯とお味噌汁で食べて行けるよ」

「いいねそれ。それにする」

「分かった。調味料もなかったよね。ところで、お味噌は白よね?」

「家は白味噌だと思うよ」

「だよね。家は名古屋だから実家は赤味噌なのよね」

 砂糖、塩、醤油、味醂、料理酒、コショー、油などと卵、ホウレン草、お魚は鰤、豆腐、ねぎ、わかめ、胡麻、お米も忘れずに。車の中は、すごい荷物。引っ越しと間違えられそうだ。

「さて帰って美味しい晩ご飯作るぞ」

 張り切ってるシュウが可笑しかった。エレベーターがあるとはいえ、これだけの荷物。四階まで何往復したか。私は一度持って上がっただけだけど。それでもシュウは嬉々として炊飯器の梱包を解いている。まず最初に食品を冷蔵庫には入れたけれど。次に食器を洗わないと使えない。どこに仕舞うのか疑問? とにかく何とか洗って片付けて……。
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