さざなみの声
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「寧々さん、お疲れさま。せっかくの休日に、ごめんなさいね。明日はゆっくり休んで。それとも気分転換の方がいいかしらね。月曜からパタンナーとの打ち合わせに入るから宜しくね」
「はい。こちらこそ宜しくお願いします」
「じゃあ、もうきょうは帰ってもらっていいわよ」
「はい。では失礼させていただきます」
「お疲れさま」
片付け終わって会社を出た。五時か……。明日はシュウと出掛ける約束だった。きょうは買い物して帰ろう。スーパーに寄って必要な物を買う。アパートに帰ると夕食。お風呂でゆっくり温まる。疲れも取れて眠くなりそう。緊張が解けて行くような気がする。
ウェディングドレスを作るのは初めての経験。学生時代にグループ実習で作った事はあってもデザイナーとして自分の責任で作らせていただくのは初めて。
ミカさん、とても可愛い花嫁さんになるだろう。そのお手伝いをさせていただけるのは幸せな事だと思う。こんなに遣り甲斐のある仕事だったんだと改めて感じた。
しっかり温まって髪を乾かしてお風呂を出ると携帯のランプが点滅していた。シュウからのメールだった。
『明日、朝七時に迎えに行く。支度して待ってるように!』
『了解しました! じゃあ明日ね。』
七時? 何処へ連れて行ってくれるのかな。とにかく早く寝よう。せっかく温まったのに湯冷めしちゃう。この季節、風邪なんて引いてる場合じゃない。明後日から忙しくなる。素敵なウェディングドレスを作る仕事が待っている。体がホカホカに温まっていたので何だか幸せ気分ですぐに眠れた。