このままずっと離れないで
私達は幼稚園の頃から一緒にいた。

気の弱かったりょーくんと
弱いものいじめが大嫌いな私達は
誰かに乗せられた訳でもなく仲良くなった。

『僕と一緒にいたらいじめられちゃうよ…』

『くだらないね。』

子供ながらにも理解出来たその言葉に
私は子供らしくない言葉で返した。

『くだらない?』

きょとんとするりょーくんに
私は少し怒って答えた。

『かっこ悪いってこと!
いじめられてるのに言い返さないなんて。』

今度は子供でもわかるくらい
悲しい顔をするりょーくん。

『でも…』

『…でも?』

今思えばあの言葉は言い訳のようなもので
悲しい顔をするりょーくんを笑顔にしたくて
つい口をついて出たものだったと思う。

『君が強くなれるように
私がずっとそばにいてあげる。』
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