三十路が進む 現在進行形初恋


「…そんなに謝らないで、ハルハラは何も悪くないんだから…ね?」

「私なんかのためにがんばってくれて…ありがとうね、ハルハラ」

 素直に感謝の言葉が出たのは、自分でも本当に不思議だった。
 王子様のことは、とてもとても大好きだったけれど、振られることは最初からなんとなくわかっていたからだろうか。
 とにかく、ハルのことを責める気持ちはこれっぽっちもわいてこなかった。
 そして、頬を伝う涙が、あたたかいものに感じられた。

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