三十路が進む 現在進行形初恋


 私もハルも涙をぬぐっていると、ジェットコースターが発車する甲高いベルの音が響いた。
 カタカタカタと軽快な音をたてながら、ジェットコースターは斜面をゆっくりと昇っていく。

「俺、お前のためならなんでもするよ」

ハルの瞳は、力強く前を見据えていた。
私も清々しい気持ちで、ジェットコースターの先の澄んだ青空を見上げた。

  * * * * *

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