三十路が進む 現在進行形初恋


 ふと気づくと、部屋の中はすっかり暗くなっていた。
 中学時代を思い出していたら、いつしか眠ってしまったらしい。
 私はふにゃーっと伸びをするポーズの三毛猫の抱き枕を抱きしめて横になっていた。

 晩ご飯の支度をしなければいけない時間はとっくに過ぎているはずだった。
「お母さんごめん。ちょっと寝ちゃってたー」
「いいよー今日は私がやってるから」
 二階と一階で大声を出してそんなやり取りをする。ありがとう、お母さん。

< 17 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop