三十路が進む 現在進行形初恋
一枚でも一行でもいい、とにかくハルからの手紙がどうしても読みたかった。
早く早くとあせる気持ちと、でもどうしようどうしようとなぜか緊張する気持ちとがない交ぜになって、脈拍が急速に上がるのがわかった。
それはまるで学生時代に初めてフルマラソンを走る直前の、スタートラインに立ったときととても似ていると感じた。
「よし」
そして、そんな気持ちを抑えながら、私はそっと…ゆっくり、封を開けにかかった。