三十路が進む 現在進行形初恋
リョーカへの手紙 * 一通目 *
村橋良香様
突然の手紙に、不審に思っているかもしれないですね。
怪しい手紙とかではないので、安心してほしいです。
それと、僕の名前も覚えていなくても当然だと思います。
南坂下中学校二年四組で一緒のクラスだった、春原匠海です。
鷹野と君を破局に導いた張本人、と言えばすぐ思い出してくれるかもしれません。
なんとなく名前だけでも思い出してくれたでしょうか。
君ならきっと思い出してくれると信じています。
実は今手紙を書きながら、ですますの丁寧語や、僕、君などと書いていることがとてもむず痒くてしかたありません。
俺は君のことをリョーカと、君は俺のことをハルと呼びあっていたあの頃のように、手紙の続きを書かせてもらおうと思います。