三十路が進む 現在進行形初恋


 
 「ただいまー」
 と、多分まだ居間で昼寝しているはずの母親にそっと声をかけ、二階の自分の部屋に向かう。
 自室に入るなり私は鞄を適当に床に投げると、ベッドに体をぼふんと投げ出す。
 天上を見上げながら、白い封筒を透かすように見つめる。

「ハルハラー♪ハルー♪ハルラララー♪」
 なんとなく段々と語呂が気に入って、鼻歌まじりにつぶやいてみる。

 と、そのとき、何かあたたかいものが心をよぎる。

「ハル!」

 私は思わず声をあげてしまう。
 どうしてすぐにわからなかったんだろう。

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