三十路が進む 現在進行形初恋


 ああ、ハル……春原……ハルハラ……中学のときだ。
 ということは……ええと、十七? 十八年ぶりになるのかな……
 それなら忘れていても仕方ないかな、と自分を納得させる。

 ハル、いきなり手紙なんか、どうしたんだろう?

 ……それに……今何をしてるのかな。
 結婚して幸せな家庭を築いてそうだな……
 本当に懐かしいな……中学時代かぁ……

 仕事の軽い疲れと、突然の幼き日の思い出とが、心地よい気だるさとなって私を包み込む。
封筒を開けるのはちょっと後にしてそのままベッドに身を委ね、私は目を閉じ、おでこに封筒をのせる。
 そして、甦ってくる古い記憶に心を泳がせる……

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