三十路が進む 現在進行形初恋
そう……私は陸上部で、ハルはテニス部。
お互いの部活が終わった放課後、秋の黄金色の日差しの中のほのかに暖かい教室。
最終下校時刻を告げる音楽が鳴り始めても、私たちは机の上に行儀悪く座りながら、二人きりで笑いあったり、真剣に悩んだりした。
いつしか、ハルハラと呼び捨てで呼んでいたのも、ハルとあだ名に変わっていた。
とある授業中、親友の女子から受けた恋の挑戦状のメモ用紙を、半泣きで斜め前の席のハルに渡したっけ。
メモ……懐かしい……
授業中にさまざまなメモが、女子の間で飛び交っていた。
誰もが恋をしていて、でも告白できなくて、かわいいキャラクターのメモに自分の想いを書き込み複雑に折り畳んで、互いに気持ちをぶつけあっていた。