黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛
しかし、無色だと証明するには、確かに脱いで体に刻印がない事を確かめなければならない。無色がいつもより早く現れたとあっては、白騎士達も水音が無色だとは思わないのも当たり前なのかもしれない。
そう思うってしまうと、やることは1つだ。
彼らの前で服を脱いで証明するしかない。
方法はこれしかないのだ。
「わかったわ。」
水音が小さな声で返事をすると、白騎士達は更に盛り上がった。「早くしろ!」と大声で怒鳴るものをいた。
肌寒かったはずなのに、今は羞恥からか全身が暑かった。人前で肌をさらす事になるとは、元の国では考えても見ない事だった。
水音は、シュリの血がついた上着を掴む。まだ、血は完全には乾いていなく、少しだけ水音の手に付いた。
これは目の前の子どもを助けるため、シュリを助けるため。そう決心をして、水音は一気にシャツを脱いだ。
水音は恥ずかしさから、下を向きそうになったが、それでは彼らに信用してもらえないような気がして、強気を演じるべく、まっすぐと前を向いた。
それでも、心の中では誰に助けてほしい、逃げたいと思ってしまい、泣きそうな気持ちになってしまっていた。
「………なんだ、その胸についている、変なものは。それも脱げ。」
おお!という声が上がったが、水音が着ていた元の世界の下着を見て、ざわつきが起こった。この世界にはないものなのだろう。
これだけでも、肌が赤らみ、目には涙がたまっている。下着だけは脱げないと思い、ズボンも脱いでしまう。
「これでわかったでしょ?」
震える声で、そう言うが。
周りからは「まだ全部脱いでないぞ!」と声があがった。水音は、恥ずかしさと怒りで、さらに顔が真っ赤になった。
もう自分には何も出来ないのか。
辱しめをこれ以上受けなければいけないのか。
諦めから、下着に手を掛けようとした瞬間だった。
「お前達、何をしているっ!」
その場に、凛とした声が響き渡った。
その声を聞いて、その場の白騎士たちは焦りどよめいた。