黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛
「話がずれてしまったね。銀髪の男はとても危険だ。だから、君にも気を付けてもらいたい。」
「………わかりました。」
水音は、ここを抜け出してシュリの元へと戻るつもりだった。しかし、今、それを彼に伝えてしまえば、止められるのは必至だ。
水音は黙っていることに決めた。
水音が頷くと、レイトは優しく微笑んでくれた。そして、後ろに控えていたマナたちを退出させた。ここからは、水音以外に聞かせたくない事のようだった。
「無色の刻印が、刻印を変えられるというのは知ってかい?」
「……はい。」
シュリから聞いていた事を今さら隠すことではないので、水音は素直に頷く。
「では、その方法は?」
「知りません。」
「………これは、あまり知られていない方法でね。白蓮の人々が隠していた事でもあるんだ。他の刻印にバレないようにね。だから、歴代の無色と結ばれた者しか知らない事になっているんだ。」
「結ばれた?」
水音がそういうと、レイトは真剣な顔で水音の顔を見つめる。少し言いにくそうに、答えを話すのを渋っていたけれど、彼はゆっくりと口を開けた。
「刻印の交換をする場合、交換を望む者と結ばれる事が条件となる。心も体も。」
「え…………。」
「そして、僕の希望は、白蓮と黒の刻印の交換なんだ。」
水音は、刻印の交換の条件。そして、レイトの予想外の願いに言葉を失った。