黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛




 それからすぐにレイトは白蓮の領地に行ったわけではなかった。

 シュリは毎日のように門番と挨拶を交わして、顔を覚えてもらい、怪しまれないように仲良くもした。家族のために毎日青草の街に行く人も多く、シュリは怪しまれず、半年後には顔を見ただけで入れて貰えるようになった。家も作ったり、情報収集もしたけれど、周りの人とはなるべく関わらないようにした。


 その間、レイトは白騎士に入るために体を鍛え、シュリが白蓮の領土からこっそり持ってきた剣で、技を磨いていた。そして、1日は湖に張り込み、白騎士の動きを探った。

 

 そんな日々を過ごし、決意を新たにした2人は、1年後にそれぞれの道を歩みだした。



 無色の刻印が、来る日を待ちわびながら。



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