虚愛コレクション

果たしてその言葉にどんな意味が込められているのか。何であれ、それだけは断言できる。

私は千代の邪魔をするつもりはない。

私は千代の友達だ。千代が幸せならそれでいい。そう、それでいいのだ。


「じゃあ、また学校で」


返しの発言をするより先に、神楽君は私の頭を数回撫でたあとに去っていった。

それが、何故だか慰めの意味を持っていたような気がするのは気のせいか。

私は引き留めることもせずに、小さくため息を吐いた。


「何で透佳さんも神楽君もあんなに鋭いかな……」


ポツリと呟き、撫でられた髪を撫で付けた。