虚愛コレクション
朝の学校は騒めきはあるけれど、何処か静けさも感じられてぼーっとしてしまう。
「いーのーりーっ!」
「うわっ……!?」
そうして座っていただけに目の前に突如現れた人に驚く。その驚く様がおかしかったのか、肩を揺らして笑うのは私の友達。
余りにも笑うものだから少しだけ怒った素振りを見せてみれば、取り繕うかのように態度を正した。
相手も私が怒っているように見せているだけだと言う事が分かっているようで、表情は柔らかいのだが。
「えへへ。ごめんねー!で、これっ。一週間遅れのハッピーバースデイ!」
表情そのままで、私の前に包みを差し出してくる。
ピンクの袋に赤のリボン。何とも、らしい外装。素直に嬉しい。
「ありがとう」
ギュッと抱きかかえるようにそれを手にし、笑えば「どういたしまして」と言う言葉が返ってきた。
「って、風邪、長かったけど大丈夫なの?」
先にこれを問わねばならない筈なのに、流れに流されていた。一週間遅れと言った通り、私の誕生日の少し前から学校に来ていなかったのだ。
「うん!咳酷かったから収まるまで休んでただけ。熱はとっくに引いてたしね。それよりも早く開けて開けて」
心配よりもプレゼントなのかと苦笑いしながら袋に手を突っ込んだ。
「!」