虚愛コレクション
学校最寄りのショッピングモールへと足を運ぶ。
テストと言うものから解放され、遊びたい欲が爆発したのか同じ学校の制服を着た子が何人も歩いていた。
「マフラーあげようと思うんだけどどうかなぁ?」
歩きながら相談を持ちかけてくる。
12月も半ばにさしかかろうとするこの時期。マフラーひとつでもしているのとしていないのでは、寒さが違ってくる。
思い返せば先の西君は意外にもマフラーをしていなかった。それを見越しての発想なのだろうか。
「いいと思うよ。西君に似合いそうなの見つかるといいね」
「あるかなぁ。祈も一緒に考えてね」
「うん。あ、じゃあ、あの辺とかどう?」
指さして、腕を引いて一つのショップに入っていく。
あまり、男の子の物とか分からないけれど、千代の為に少しだけ頑張ってみよう。