虚愛コレクション
あれやこれやとマフラーを見ながら、西君に似合いそうなのを相談する。
そういえば、千代とこうして遊ぶのは久しぶりだなと気づいた。西君と千代が付き合う前はよく学校帰りに遊んでいたのだが、付き合ってからと言うものめっきりそれが減った。
彼と出会ってからも私が断ったりしたこともあったが、やっぱり遊べなくなっているのは少し寂しいように感じた。
「うーん……シンプルっぽい方がやっぱりそれらしいよね」
フルフルと首を振り雑念を飛ばす。
「結構難しいね。男の子の物選んでるんだし神楽君にも来てもらえばよかったね」
と家族間でも恋愛の話をできるくらいだから、と安直な考えで言ってみると、何故か困ったような顔をした。
「それもそうだけど、神楽にまた貸しを作るのはちょっと……」
「貸し?」
「うん。祈の誕生日…あっ!」
「?」
今度は、しまった!と言うような表情を浮かべて押し黙る。私が首を傾げてじーっと見つめれば、千代は視線を少しだけ彷徨わせて大きく息を吐き出した。
「まぁ、もういっか」